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健康コラム

2017年2月 6日 月曜日

頭痛外来のおはなし

「頭痛外来」って何するところ?

頭痛には、先の国際分類で発表されたように350種類もの多岐にわたる種類があります。それらを大別すると、片頭痛や緊張型頭痛のような命に係わらず、明らかな原因のない「一次性頭痛」と、脳腫瘍やくも膜下出血、髄膜炎のような命に係わったり、何らかの原因が背景にある「二次性頭痛」に分かれます

(1)一次性頭痛について
 その代表は片頭痛と緊張型頭痛、群発頭痛の3つです。
〇片頭痛
 もっともポピュラーに頭痛外来で拝見する頭痛です。症状としては、中等度以上の頭痛強度で、動いたり振動が加わると悪化し、嘔気嘔吐や光音においに異常な過敏性をきたします。一部には、頭痛の前兆に目がチカチカしたり見えなかったりすることが数分程度先行することもあります。頭痛の前には、生あくびや異常な食欲、肩こり、いらつきや集中力低下などがあることも特徴です。ストレスや寝不足寝すぎ、気圧の変化、女性の場合は生理、さらに最近はPCやスマホ、ゲームなどによる刺激も誘因となります。
発症当初は市販の鎮痛剤でも効き目はありますが、年齢と伴に、また社会的ストレスの増加などもあり、頭痛が増悪していくと、その効き目が悪くなり、結果、日常生活に支障ときたすようになってきます。最近は子供社会にも、ストレスやPC、スマホ、ゲームによる刺激が蔓延して、頭痛の若年化が確実に進んでいます。そういう子供たちは学校に行けなくなったり、塾を休んだりすることも稀ではありません。
片頭痛に特化したトリプタン製剤の処方や、予防薬をうまく合わせて、早期に適切な治療をすることが何よりも大切です。

〇緊張型頭痛
 患者数としては一番多く、肩こりや目の疲れなどから来ることが多い頭痛です。片頭痛とは違い、動けばひどくなったり嘔吐などを伴なったりするようなことはありません。しかし程度も様々で、精神的な要素などが加わると慢性化し、日常生活がままならなくなることも時にあります。適度な運動やリラクゼーション、姿勢を正し、長時間同じ姿勢を取らないようにすることも大切です。頭痛体操なども有効でしょう。それでも症状改善が乏しい際には、適宜内服処方をしていくこともあります。

〇群発頭痛
 最近は取り上げられることも多く、認知度が上がってきました。年に1回、1か月ぐらい、毎日決まった時間に一側の激しい頭痛が3時間以内で出現し、同側の流涙や鼻水などを伴うのが特徴です。頭痛の強度としては最強ですが、トリプタン製剤や予防薬など、比較的、薬が効きやすいものです。

(2)二次性頭痛について
 くも膜下出血や脳腫瘍などがその代表です。見逃さないために必要なことは以下のことです。これは一次性頭痛を持つ人にも合併する危険性はあり、以下の6つの点が、注意するべきポイントです。普段から意識しておいてください。
① 突然の激しい頭痛
② 今まで頭痛がなかった人の頭痛
③ 麻痺やろれつの障害を伴う頭痛
④ 高熱を伴う頭痛
⑤ 意識消失をきたす頭痛
⑥ いつもの薬がいつものように効かない頭痛
 このような頭痛があれば、すぐに病院受診することをお勧めします。

(3)最後に
頭痛外来とは、患者さんへの問診、MRIや脳波、採血などを駆使して、頭痛を総合的に診断して、個々に応じた対処をしていくところです。特に一次性頭痛は命に係わることはなくても、その人の生活を支障して、有意義な人生を送ることを邪魔する厄介なものです。気になるような頭痛がありましたら、一度ご受診なされることをお勧めいたします。


投稿
いわくら脳神経外科頭痛クリニック 院長 岩倉 昌岐

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