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健康コラム

2018年3月 1日 木曜日

虚血性心疾患のおはなし

狭心症(労作性、安静時/安定性、不安定性/ 有痛性、無痛性)、
心筋梗塞(貫壁性、心内膜下)などと、いろいろ文字どうり、発症状態での分類名称があります。
その中でも恐い胸痛として、いわゆる突然死の主な原因、脳卒中・癌とともに成人の死亡の主な原因、急性心筋梗塞を発症時の状況を中心に記述させて頂きます。
心臓は冠状動脈というたかだか数ミリ径の血管で栄養されます。心筋梗塞は、冠状動脈硬化の伸展で血管腔へのたかまり(粥腫)が形成され、それが壊れて血栓が急速に形成され動脈閉塞を来たし、深刻な栄養障害(心筋壊死)にいたるのが主なメカニズムとされています。その際に怖い胸痛が生じるのです。
現在は、病院(特に専門病院)に出来るだけ早く到着し、適切な治療を受ける事が出来る場合には、その多くの方が早く社会復帰可能となっています。しかし依然として専門病院到着前の死亡率は高く、救命され得るかどうかは、発症後どれだけ早く受診できるかどうかに大きく依存しています。
急性心筋梗塞の受診きっかけ、やはり胸痛が主です。典型的には、前胸部の真ん中近辺に握りこぶし大のひろがりの、長時間(半時間以上-数時間)持続する強い痛み。締め付けられる、圧迫重圧感の、焼けるような、刺すような痛みとされます。顎、首、肩-腕(特に左側)へ痛みが放散することも。ときには冷汗、悪心・嘔吐伴うことあります。このような時には、昼夜の区別無く一刻も早く受診するべきです。
他に重大な疾患として解離性大動脈瘤、肺塞栓症もありますが、受診の際に鑑別されるべき対象です。
 胸ではなく、胃部付近の持続性の強い痛みでも心筋梗塞のことあります。また糖尿病、高齢者では、胸痛が弱く、"何となく胸がおかしい?" "異様に体全体がだるい"などの自覚あるときは、心筋梗塞の可能性も考えて早めに受診するべきです。
心筋梗塞発症前には2/3の例で、軽度-中等度の、反復する胸痛(狭心症の可能性)あり、特に悪化傾向時にはかかりつけ医と相談速やかに循環器専門病院を受診するべきと思います。

投稿
くしろ内科循環器科 院長 久代英範

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