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健康コラム

2019年11月 8日 金曜日

過敏性腸症候群について

過敏性腸症候群について

過敏性腸症候群とは、検査を行っても明らかな病変がないにもかかわらず、下痢や便秘、腹痛、腹部膨満感など持続するものをいいます。例えば昔から緊張するとおなかが痛くなったり、トイレに行けない状況で便意をもよおしたり、下痢と便秘を繰り返しまともな排便がないなど、命にかかわる病気ではありませんが、不快感が強く生活の質を低下させます。
過敏性腸症候群は、20~40歳代の若い年齢層に多くみられ、先進国に多く、日本においては人口の10~15%程度の方にみられるというデータもあります。
過敏性腸症候群の明らかな原因はいまだ不明ですが、大腸や小腸など消化管の運動異常や知覚過敏、精神的なストレス等が関係しているとされ、複数の要因が組み合わさることで発症すると考えられています。
過敏性腸症候群は、症状によって下痢型、便秘型、混合型(下痢と便秘が交互に繰り返す)に分類されます。
過敏性腸症候群の診断は、自覚症状に基づいて行われます。過敏性腸症候群と似たような症状が現れる病気として、細菌性・ウイルス性の腸炎や、潰瘍性大腸炎、クローン病、また大腸癌などがあるため、必要に応じて検査(血液検査や便の検査、レントゲン検査、大腸カメラなど)を行い、他の病気がないかどうかを確かめることもあります。
過敏性腸症候群は、生活習慣(食習慣や睡眠などのライフスタイル)の乱れや、精神的なストレスなどで症状が悪くなることが多いため、まずは生活習慣の改善やストレスの軽減を図ります。運動も症状改善に有効とされます。また、生活習慣の改善で症状がよくならない場合には、症状のタイプ(病型)に合わせて薬物治療を行っていきます。使用される薬剤にはセロトニン3受容体拮抗薬、高分子重合体、消化管運動調整薬、乳酸菌製剤、緩下剤、止瀉薬、漢方薬、抗不安薬など多くの種類があり、状態によって使い分けていきますが、病型に合わない薬を使うと余計に悪くなることもあり注意が必要です。
過敏性腸症候群は完治するものではないので、デリケートな腸とうまく付き合うことで症状を抑え、生活の質を改善していくことを目指します。

投稿
矢野外科胃腸科 院長 矢野 雅文

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