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健康コラム

2018年1月15日 月曜日

五十肩のおはなし

肩関節周囲炎(五十肩)
肩関節周囲炎とは、またの名前を五十肩とも言います。五十肩といいますが60代、70代の方でも発病します。症状は、肩関節の痛み、関節の動きの制限、を起こす病気です。この為、高いところの物が取れない、衣服の着脱、トイレ動作や、入浴時の洗髪などの時に痛みを伴い、日常動作が不便になります。特に原因なく2~3週間にわたって痛みが増悪し、動きが悪くなってきます。関節組織の骨、軟骨、靭帯、腱などが老化して炎症を起こすことで起こります。周辺組織に炎症が広がる場合もあり、肩関節周辺のかなり広い範囲が痛む事もあり、時に上腕部まで痛みます。ひどくなると、安静時まで痛みが起こり、睡眠障害なども起こります。長引くと6か月~1年くらい痛む事もあります。他にも、肩関節の痛みが出る病気としては、すじ(腱板)に石灰が溜まるものや、すじが切れるもの(腱板断裂)などがありますのでこれらを区別する必要があります。検査はレントゲンでは普通異常ありませんが、石灰が沈着している場合では、これが写ります。腱板断裂は、超音波検査やMRI検査で分ります。治療としては、消炎鎮痛薬の内服や湿布、注射などが有効です。急性期を過ぎたら、温熱療法やストレッチなどの運動療法を行います。ほとんど手術する事はありません。自然に治る場合もありますが、悪化すると関節が動かなくなり、日常生活も非常に不自由になりますので、早めに医師に相談された方が良いかと思います。自宅でできる治療法としては、関節をよく温め、ストレッチのような運動をする事ですが、負荷をかけて運動してはいけません。また石灰が溜まっている場合は、温めるとかえって痛みが増すので注意が必要です。
五十肩体操を示します。クリックしてください。

投稿
あさだ整形外科クリニック 院長 麻田毅彦

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