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健康コラム

2014年6月20日 金曜日

足白癬(水虫)のおはなし

 水虫は、一度発症すると治らないと思っている方が多いのではないでしょうか。 
 「治らない」のではなく、「治っていない」のです。最近の塗り薬は効き目がよく、1~2週間塗り続けますとかゆみや皮めくれといった症状がなくなり、患者さんは治ったと思って薬を塗るのを止めてしまいます。
 足の裏の角質は非常に分厚いので、表面の白癬菌は死滅しても下層にとどまっている菌は死んでいませんから、条件さえ整えば表層に出てきて増殖します。すると、次の年の夏にまた再発してかゆみに悩まされることになります。医師の指示のもとに最低でも3か月、できれば1年くらい根気よく塗り続けることをお勧めします。
 感染経路としては、家族内感染が最も多いので家庭での対策が必要です。スリッパやバスマットから水虫がうつることが多いので、個人専用のスリッパを用意するとか、バスマットをまめに取りかえましょう。ひとりだけ治してもまたうつされますので、家族ぐるみで治療しましょう。汗かきの人や靴をはきっぱなしの人は、水虫になりやすいので足をせっけんでよく洗い、きちんと拭いて乾燥させることが大切です。靴下は汗を吸収する通気性のよいものを選び、毎日交換してください。靴も何足かをローテーションするほうがよいでしょう。
 しかし、水虫と同じような症状でも、"しっしん"や"かぶれ"のことがよくあります。皮膚科医でさえ、一目では区別がつかないことがあり、顕微鏡検査や培養検査が必要なことがあります。市販の薬を塗っても効き目がないとか悪化するようでしたら、ぜひ皮膚科専門医の診察を受けてください。  

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八田皮膚科  院長 八田晋