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健康コラム

2020年2月 1日 土曜日

梅毒のおはなし

古くから、「発疹を見たら梅毒を疑え」とまで言われています。どんな病気なのでしょうか。感染してから3週間は症状がありません。その為、自分も病気に気づかないまま、人にうつしてしまう可能性があるのです。
梅毒に感染した場合、約3週間後に紅く小さなしこりができます。外陰部や尿道口に好発し、肛門や鼠径部、口の中や舌、乳房、へそ、指にできる事もあります。口唇にできると、びらんになりやすく、子宮口や膣にできた場合は全く気付かない事も考えられます。鼠径部のリンパ節が固く腫れる事が多いです。ここまでが第1期梅毒です。これらの症状は数週間で自然に消え、約3カ月後の第2期まで無症状の期間が続きます。症状が無いのに感染力が強い状態です。
治療せずに3カ月経過すると病原体が血液の中に入り、うっすらと赤い発疹やおできがぱらぱらとできます。体幹や顔、首の後ろ、手掌や足底、のどや外陰部の粘膜など全身の広い範囲にできるのが第2期の特徴です。リンパ節の腫れ、発熱、頭痛や筋肉痛などの風邪に似た全身症状が出る事があります。感染力が強い時期で、次第に脱毛や白斑、爪囲炎など様々な症状がみられるようになります。感染後3年がたつと皮疹は目立たなくなり、感染力は弱くなりますが、病は進んでゆき神経の症状や大動脈炎などが発生します。受胎前や受胎時に梅毒にかかった場合、未治療なままでいると赤ちゃんに深刻な影響がでます。妊娠がわかったら、すぐに梅毒の検査を受けましょう。妊娠中に梅毒にかかった時や、不十分な治療しか受けられなかった場合は、胎盤を通じて赤ちゃんに感染する可能性があります。
梅毒にかかっているかどうかは血液の検査をすればわかります。治療は主に内服薬で、早期に治療すれば完治できます。心配な時は性病科・泌尿器科・産婦人科・内科・皮膚科等の受診をお勧めします。
一度梅毒にかかって完治した場合でも、感染機会があれば何度でもかかるので注意して下さい。

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石原医院 院長 住本佳代子