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健康コラム

2015年9月16日 水曜日

脳梗塞のおはなし

脳卒中:病院のかかりかたついてのお話
    

はじめに
 今回は、「脳卒中」についてのお話です。「脳卒中」、つまり、脳の血管が切れたり(=脳出血)、つまったり(=脳梗塞)、元気だった方が突然に罹る病気についてです。2014年6月の須磨区医療フォーラムで、実は詳しくお話ししました。今回は、脳卒中に罹ったときに、どうやって病院にかかるか、神戸の実情をちょっとだけお話しします。

7割は病院が開いていない時間帯に
 脳卒中は、時を選ばず突然に発症します。一日24時間で、病院の開いていない時間帯(午後5時から翌朝9時まで)に発症する確率は三分の二の確率。週末には病院は閉じていることが多いので、それを加味すると、およそ7割ぐらいの確率で、「病院の開いていない時間」に脳卒中は発症することになります。中でも、脳の血管が詰まる「脳梗塞」では、発症から治療を開始するまで4時間半を過ぎてしまうと有効な治療ができない、という緊急性がありますので、いざとなると、救急車を呼んで病院を探すことになります。

神戸市内の9つの輪番病院
 神戸市内の主な脳外科の病院は輪番制を組んでいます。そして日ごとにその日の当番病院が決まっています。恒生病院(北区)、神戸医療センター(須磨区)、神戸掖済会病院(垂水区)、神戸赤十字病院(中央区)、神戸中央病院(北区)、神戸徳洲会病院(垂水区)、神鋼記念病院(中央区)、新須磨病院(須磨区)、吉田病院(兵庫区)の9つの病院があります。「脳卒中だ!」となったら、救急隊員は、その日の脳外科輪番の病院に連絡します。「たらい回し」とならないように、輪番に当たっている病院は、急患を断らないようにしています。このとき、普段から通院している病院がある場合には、その「かかりつけの病院へ」と、運ばれることもあります。神戸市内では、西部の地域には、多くの輪番病院があります。また、より重症な患者さんを引き受ける三次救急として、神戸市立医療センター中央市民病院と兵庫県立災害医療センターがあります。

急性期の治療が終わったらリハビリ病院を
 脳卒中の緊急の治療が一段落したら、リハビリが主な治療となります。急性期病院から、「脳卒中連携パス」という患者さんの紹介網を介して、重症度と地域性を考えてリハビリ専門病院をご紹介します。詳しくは、「神戸広域脳卒中地域連携協議会」のHPをご参照ください。リハビリ入院期間は、数ヶ月までです。

リハビリが一段落したら再発予防=かかりつけ医
 脳卒中は、さまざまな原因からなりますので、一回発作を起こした後は、二度と発作を起こさないように十分な再発予防のケアが必要です。リハビリ病院から、ご自宅に退院された患者さんは、かかりつけ医を持って、普段から定期的に健康状態について相談されるようにお勧め致します。障害の程度に応じて、介護保険を利用して、デイサービスでのリハビリや、介護職員による日常のサポートも利用してください。ご自宅に帰れないほど障害が重篤な方は、さまざまなレベルの福祉施設を探すことになります。

予防に勝る治療なし
 健康であった方が、一瞬で障害を持つことになる、脳卒中は、怪我にも似ています。怪我と違う点は、普段からの予防が「かなり」効果的である、という点。タバコを止めて、血圧を正常に保って、適度な運動と定期的なかかりつけ医の診察、それだけで、随分と危険率は下げられます。どうか、病気になってから医者にかかるのではなく、健康だ、と思っているうちから、かかりつけの医者を見つけて、定期的に健康度をチェックしてください。どうか、あわてて救急車のお世話にはならないように。。。。

投稿
新須磨病院 脳神経外科 近藤 威