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健康コラム

2017年1月11日 水曜日

白内障のおはなし

人の目は、よくカメラにたとえられますがカメラのレンズに相当する部分が水晶体です。正常な水晶体は透明で、光をよく通しますが、さまざまな原因で水晶体が灰白色に濁り、眼球の後ろに光を通すことができなくなる病気が白内障です。白内障が発症すると、かすんで見える、まぶしくなる、ものが2重に見える、近眼が強くなるなどの症状などが出現し、進行すると視力が低下してきます。原因としては圧倒的に老齢によるものが多く、その他は糖尿病、アトピー性皮膚炎による合併症やステロイド剤の長期投与によるもの、母親が風疹にかかるなどが原因で乳児に発症する先天性白内障などがあります。

初期は点眼治療で症状を保つことができますが、進行した場合には手術が必要になります。視力が低下して仕事に支障がでたり、まぶしさが強くなったり、運転免許の更新に必要な矯正視力が0.7未満になった時に手術を考えたらよいですが、視力低下の感じ方に個人差があるので主治医と相談して手術するかを決めるとよいです。手術は入院でする方法と日帰りでする方法もありますが、最近では日帰りでする施設も増えてきました。

白内障手術は、まず局所麻酔を行い、眼球を2ミリから3ミリ程度切開し、そこから細いチューブのような器具をいれて超音波で水晶体は破砕吸引します。眼内にアクリル製の眼内レンズ(直径6ミリで取替え不要)を挿入します。眼内レンズは、手術前に主治医とよく相談して、手術後の裸眼の見え方が遠くもしくは近くにピントが合うかを決めておきます。最近では患者さんのニーズに合わせて乱視矯正が可能な眼内レンズ、多焦点(遠近両用)眼内レンズも選べるようになっています。技術進歩により、患者さんにとって、より安全で確実な手術となり安心して受けられます。

 白内障は痛みや充血などの症状はなく、人間ドックや健康診断で指摘されることが多くあります。以前より見え方が悪い、目がかすむ、まぶしく感じるなどの症状があれば一度診察をお勧めします。

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高井眼科医院 院長 田上雄一