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健康コラム

2016年3月28日 月曜日

逆流性食道炎のおはなし

●逆流性食道炎は、胃の内容物が食道へ逆流することによっておきる病気です。胃液に含まれる胃酸により、胸焼け(喉元からみぞおちあたりが焼けるような感じ)や呑酸(どんさん:酸っぱい胃液が口のほうまで上がってくる感じ)などの症状があらわれます。胸のつかえや痛みを自覚したり、慢性の咳や中耳炎の原因となったりする場合もあります。
●最近、逆流性食道炎の症状を訴える人が増加しています。その理由として、①日本人の胃酸の分泌量が多くなった、②お腹に圧力がかかりやすい体型の人が増えた(肥満、骨粗鬆症で腰が曲がった高齢者)ことなどが考えられています。①の原因には、食生活の欧米化による動物性脂肪やたんぱく質の摂取量の増加があります。さらに、ピロリ菌感染率が低下し、生涯にわたって胃酸の分泌が保たれる人が多くなったことも要因とされています。また、脂肪の摂取は、胃と食道のつなぎ目を弛緩させ、逆流を誘発します。
●逆流性食道炎の予防には生活習慣の改善(食べ過ぎない、脂肪分を控える、食べてすぐ横にならない)が有効です。ただし、症状が続く場合は速やかに医師の診察を受けるようにしましょう。内視鏡検査で、逆流性食道炎の重症度を判定するとともに、癌などほかの疾患がないことを確認しておくことが望ましいです。
●逆流性食道炎の治療には、胃酸の分泌を抑える薬が効果的です。食道や胃の運動を活発にして逆流を防ぐ薬が使われることもあります。薬を中断すると再発することが多いので、薬の量や服用期間は、医師とよく相談して決めるようにしましょう。

投稿
しらかわクリニック 院長 白川勝朗

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2016年1月18日 月曜日

飛蚊症のおはなし

目の前に虫が飛ぶ?!
●飛蚊症って?!
目の前に黒いものが飛ぶことを飛蚊症といいます。明るい所や白い壁、青空などを見つ
めたとき、目の前に虫や糸くずなどの"浮遊物"が飛んでいるように見えます。
数も1個から数個、時に多数のこともあります。これらの"浮遊物"は目を動かすと、ふわっといった感じで視線を動かしてもなお一緒に移動してくるように感じられ、暗い所では気にならなくなります。

●どうしておきるの?!
眼球の中の大部分は、硝子体と呼ばれるゼリー状の透明な物質(生卵の白身のようなドロッとした液体)が詰まっています。角膜と水晶体を通して外から入ってきた光は、この硝子体を通過して網膜でピントが合います。ところが、硝子体に何らかの原因で「濁り」が生じると、明るいところを見たときにその「濁り」の影が網膜に映り、眼球の動きとともに揺れ動き、飛蚊症として自覚されます。
                        
●原因
①生まれつきのもの(出生前の組織の遺残):
母体内で胎児の眼球がつくられる途中では、硝子体に血管が通っています。通常、眼球
が完成するとこの血管は無くなっていきます。しかし、生まれたのちも血管の名残りが
硝子体に残存すると、これが"浮遊物(濁り)"となって飛蚊症の症状を感じることがあ
ります。
②硝子体の年齢による変化(後部硝子体剥離)
歳をとると硝子体はゼリー状から液状に変化し、硝子体は次第に収縮して網膜から剥が
れます(後部硝子体剥離)。このような変化が飛蚊症の症状をもたらしますが、髪が白髪
になるのと同じようなもので、生理的な現象です。また、若い人でも強度の近視の場合
には、この後部硝子体剥離が早期に起こりやすく、しばしば飛蚊症の訴えがあります。
③硝子体の年齢による変化以外の原因によるもの
*網膜裂孔・網膜剥離
後部硝子体剥離やその他の原因で網膜に穴が開いたり(網膜裂孔)、その穴を中心に網膜
が下の層から剥がれて硝子体の方へ浮き出します(網膜剥離)。
*硝子体出血
糖尿病や高血圧、外傷などにより眼底で出血が起こり、その血液が硝子体に入ると突然、
飛蚊症の症状を感じたり、目の前に赤いカーテンを引いたように感じます。
*ぶどう膜炎
ぶどう膜(虹彩・毛様体・脈絡膜の3つの部分から成る)に細菌やウイルスが進入したり、
眼のアレルギー反応により炎症が起こると、血管から白血球や滲出物が硝子体に入り込
み、飛蚊症の症状を感じます。


●飛蚊症で気を付けて頂きたいこと
飛蚊症のほとんどは病気でないものですが、ときに思いがけない病気が原因となってい
ることがあります。"浮遊物"の数が急に増えたり形が変わったり、視力が落ちるようで
あれぱ、網膜剥離・硝子体出血・ぶどう膜炎などの失明に至る重篤な目の病気が隠れて
いることもあるので、直ちに眼科医に相談してください。

投稿
梶川眼科医院 院長 梶川大介

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2015年10月 9日 金曜日

新しい糖尿病治療薬のおはなし

新しい糖尿病治療薬の登場

 2014年4月より、新しい作用機序の糖尿病内服薬が発売されました。
 糖尿病で高血糖になりますと、健康人では出現しない尿糖が、腎より排泄されて尿糖陽性となります。長きにわたり尿糖の陰性化、血糖の正常化が糖尿病治療の目標でしたが、新しい薬は腎に作用し、血糖の高低にかかわらず尿に糖を排出させて血糖値を低下させ、糖尿病のコントロールを改善させる薬です。
 これまでの内服糖尿病薬は、①膵に作用してインスリン分泌を刺激するもの、②インスリンの作用を増強するもの、③肝臓からの糖の放出を抑制するもの、④腸からの糖の吸収を遅くするもの、さらには⑤腸から分泌されインスリン分泌を増幅する物質の活性を高めるものなどですが、新たに尿糖排泄促進剤(SGLT2阻害剤)が加わりました。
 本薬剤の投与により約300キロカロリーの尿糖を排泄しますので、3か月くらいで3kgの体重の減少を来しますが、作用部位が腎臓ですので、腎機能の低下した方には効果が出ません。また尿糖が出続くために、糖尿病の方に多い尿路感染症の頻度が増加することが知られています。尿糖の増加は多尿傾向を来す結果、血圧もやや低下させることや、場合によっては、脳卒中や心筋梗塞などを来す可能性も示唆されるため、十分な水分摂取が重要です。したがって高齢の方には勧められません。
 しかしながら欧米では、その明らかな血糖低下効果や、体重減少などにより、大変多くの方が使用されています。
 さらに最近の臨床研究(平成27年9月)では、本薬の使用群で、心血管病変の発生が低下したとの報告があり注目されています。
 血糖降下薬も複雑になりましたが、それぞれの方の糖尿病の病態に則した使用が前提となりますので、主治医とよく相談されて適切に使用されることが必須と考えられます。

投稿
村上内科 院長 村上啓治

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2015年9月16日 水曜日

脳梗塞のおはなし

脳卒中:病院のかかりかたついてのお話
    

はじめに
 今回は、「脳卒中」についてのお話です。「脳卒中」、つまり、脳の血管が切れたり(=脳出血)、つまったり(=脳梗塞)、元気だった方が突然に罹る病気についてです。2014年6月の須磨区医療フォーラムで、実は詳しくお話ししました。今回は、脳卒中に罹ったときに、どうやって病院にかかるか、神戸の実情をちょっとだけお話しします。

7割は病院が開いていない時間帯に
 脳卒中は、時を選ばず突然に発症します。一日24時間で、病院の開いていない時間帯(午後5時から翌朝9時まで)に発症する確率は三分の二の確率。週末には病院は閉じていることが多いので、それを加味すると、およそ7割ぐらいの確率で、「病院の開いていない時間」に脳卒中は発症することになります。中でも、脳の血管が詰まる「脳梗塞」では、発症から治療を開始するまで4時間半を過ぎてしまうと有効な治療ができない、という緊急性がありますので、いざとなると、救急車を呼んで病院を探すことになります。

神戸市内の9つの輪番病院
 神戸市内の主な脳外科の病院は輪番制を組んでいます。そして日ごとにその日の当番病院が決まっています。恒生病院(北区)、神戸医療センター(須磨区)、神戸掖済会病院(垂水区)、神戸赤十字病院(中央区)、神戸中央病院(北区)、神戸徳洲会病院(垂水区)、神鋼記念病院(中央区)、新須磨病院(須磨区)、吉田病院(兵庫区)の9つの病院があります。「脳卒中だ!」となったら、救急隊員は、その日の脳外科輪番の病院に連絡します。「たらい回し」とならないように、輪番に当たっている病院は、急患を断らないようにしています。このとき、普段から通院している病院がある場合には、その「かかりつけの病院へ」と、運ばれることもあります。神戸市内では、西部の地域には、多くの輪番病院があります。また、より重症な患者さんを引き受ける三次救急として、神戸市立医療センター中央市民病院と兵庫県立災害医療センターがあります。

急性期の治療が終わったらリハビリ病院を
 脳卒中の緊急の治療が一段落したら、リハビリが主な治療となります。急性期病院から、「脳卒中連携パス」という患者さんの紹介網を介して、重症度と地域性を考えてリハビリ専門病院をご紹介します。詳しくは、「神戸広域脳卒中地域連携協議会」のHPをご参照ください。リハビリ入院期間は、数ヶ月までです。

リハビリが一段落したら再発予防=かかりつけ医
 脳卒中は、さまざまな原因からなりますので、一回発作を起こした後は、二度と発作を起こさないように十分な再発予防のケアが必要です。リハビリ病院から、ご自宅に退院された患者さんは、かかりつけ医を持って、普段から定期的に健康状態について相談されるようにお勧め致します。障害の程度に応じて、介護保険を利用して、デイサービスでのリハビリや、介護職員による日常のサポートも利用してください。ご自宅に帰れないほど障害が重篤な方は、さまざまなレベルの福祉施設を探すことになります。

予防に勝る治療なし
 健康であった方が、一瞬で障害を持つことになる、脳卒中は、怪我にも似ています。怪我と違う点は、普段からの予防が「かなり」効果的である、という点。タバコを止めて、血圧を正常に保って、適度な運動と定期的なかかりつけ医の診察、それだけで、随分と危険率は下げられます。どうか、病気になってから医者にかかるのではなく、健康だ、と思っているうちから、かかりつけの医者を見つけて、定期的に健康度をチェックしてください。どうか、あわてて救急車のお世話にはならないように。。。。

投稿
新須磨病院 脳神経外科 近藤 威

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2015年8月 7日 金曜日

骨折で寝たきりにならないために

□骨折で寝たきりにならないために

 骨は知らないうちに弱ってきます。痛みも何もないのに、あるとき骨密度を測ったら骨がカスカスだった、ということがよくあります。骨粗しょう症がすすむと、

  1)背が縮んでくる
  2)骨折しやすくなる
  3)あちこちが痛くなる

といったことがおこります。骨が折れて寝たきりになってからでは遅いのです。

1.骨粗しょう症の検査

 検査は、骨密度を測る検査と、血液検査で骨の代謝を調べる検査があります。
またFRAXとよばれる方法で、骨折の確率を予測することもできます。

(1)骨密度
 体の骨全体を測るわけにはいかないので、腰・大腿骨・前腕・かかとといった代表的な部分で測ります。腰・大腿骨・前腕はDEXAと呼ばれる方法(X線を使う)により高い精度で調べられますが、かかとは超音波で測るため、ちょっと違った結果になることがあります。ですから、かかとで調べて大丈夫だったからといって安心せず、他の方法で調べることをおすすめします。

(2)血液検査
骨の代謝、つまり骨がどのぐらい壊されているか、どれだけ新しい骨が作られているかということを血液検査で調べます。この結果によって骨粗しょう症の進行を予測したり、お薬の効果を調べたりして、治療方針を決めます。

(3)FRAX
 これは、WHOが統計データをもとに開発したもので、自分のデータを入力してボタンを押すだけで10年以内に重大な骨折の起こる確率を計算してくれます。骨折リスクが15%以上の場合は、治療が必要です。コンピューターを触れる方はどうぞ。
   FRAX: http://www.shef.ac.uk/FRAX/tool.aspx?country=3

2.骨粗しょう症の治療

 みなさんの中には、ジャコ食べてるから大丈夫とか、牛乳飲んでるから心配ないと思っている人はいませんか?骨粗しょう症は食事だけでは予防できません。もちろん、カルシウムやリン、ビタミンDなどは、必要な栄養素ですが、これだけでは骨粗しょう症の治療には不十分なのです。
 いまや骨粗しょう症の薬は数多くあり、どれを使おうかと迷うほどです。

(1)ビスフォスフォネート製剤
  (アクトネル、フォサマック、ベネット、ボナロン、ボノテオ、リカルボ
   ン、ボンビバ)
 これは、骨を壊す細胞(破骨細胞)の働きを抑える薬です。骨折を予防する効果的な薬です。このお薬を使っている時に歯を抜くと顎の骨が溶けると歯医者さんに言われたことがあるかもしれません。これは普通の人にはまず起こりませんが(10万人に1人程度)、医師と歯科医と両方の意見を聞いて、お薬を続けるかどうか決めてもらいましょう。

(2)女性ホルモンに似た薬
  (エビスタ、ビビアント)
 これは女性ホルモンと同じような働きかたで骨粗しょう症を改善します。女性ホルモンのようにガンのリスクを高めることは無いので安心して使えます。

(3)骨を増加させる薬
  (テリボン、フォルテオ)
 これは、骨を作る細胞の働きを活発にするお薬で、強力に骨を増やします。骨折も早く治ります。ただ、両方とも注射薬で、高価であるのと一生のうち一定の期間しか使えないのが残念なところです。

(4)その他 ・・・ 半年に1回注射する薬
  (プラリア)
 これは半年に1回の注射で済むという、画期的な薬です。だからといって、きつい薬というわけではありません。働きは、(1)と同じく破骨細胞の働きを抑えて、骨粗しょう症を改善します。

(5)そして、運動
 そして、特に大事なことは適切な運動です。宇宙飛行士が無重力状態に長い間おかれると骨粗しょう症になることは有名ですね。骨が強くなるためには、骨に力が加わる必要があります。いくらカルシウムを摂って骨粗しょう症のお薬を飲んでも、動かなければ骨は強くなりません。そのために、毎日、運動をしましょう。無理な運動は必要ありません。毎日の散歩と、ラジオ体操で十分です。

   みなさん、骨を丈夫にして、健康寿命を伸ばしましょう!

投稿 
瀬川外科 院長 松井誠一郎

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